SNSマーケティングとは、InstagramやX、TikTokなどのSNSを活用し、認知拡大・集客・ファン化・購買促進などを行うマーケティング施策です。双方向のコミュニケーションで顧客との関係を深められる点が特徴です。
特に近年は、商品やサービスをSNS内で探すユーザーも増加しています。
SNSマーケティングは、効果的な情報発信とターゲット層へのリーチを実現する重要な手法ですが、インフルエンサー、キャンペーン施策など、さまざまなSNS手法の中から一体何をすべきなのか、明確に理解しているPR担当者は多くありません。
今回の記事では、企業アカウントを任されたPR・広報担当者の方に向けて、SNSの運用方法やSNSを活用するメリット、戦略的なSNSマーケティングの手法を解説します。
初めに知っておきたい!SNSマーケティングとは

SNSマーケティングとは、ソーシャルメディアを活用して認知拡大や顧客獲得、ファン形成などを行うマーケティング活動です。
InstagramやTikTok、X(旧Twitter)などのSNSを通じて、ユーザーとの接点を作り、継続的なコミュニケーションを図ります。
広告のように一方的に情報を届けるだけではなく、コメントやシェア、UGC(ユーザー生成コンテンツ)などを通じて、双方向のコミュニケーションが生まれる点が大きな特徴です。
また、SNSは拡散力が高く、企業規模に関係なく認知を獲得できる可能性があります。近年ではBtoC企業だけでなく、BtoB企業や採用広報でも活用が広がっています。
SNSマーケティングと自然検索(SEO)の違い
SNSマーケティングと自然検索(SEO)の違いは、ユーザーへのアプローチ方法にあります。
SEOは、キーワードに基づいたコンテンツを制作し、Googleなどの検索エンジン上で上位表示を目指す施策です。ユーザーが自ら情報を探しているタイミングで接点を作れるため、課題やニーズが明確な層へのアプローチに向いています。
一方、SNSマーケティングでは、トレンドや話題性のあるコンテンツを配信し、ユーザーが日常的にSNSを利用する中で自然とコンテンツに触れる形を作ります。ユーザーが情報を積極的に探していない状態でも、興味関心や好みに基づいて投稿が届くため、潜在層への認知拡大にも効果的です。
SEOで深い情報を届け、SNSで認知や接触機会を広げるように連携させることで、より高いマーケティング効果が期待できるでしょう。
SNSマーケティングと広告の違い
SNSマーケティングと従来の広告との間には、コストと戦略の違いがあります。
従来の広告は出稿料が発生し、短期的な認知拡大や直接的なコンバージョンを目的として実施されることが多い施策です。広告運用では、CPA(コストパーアクション)やクリック率、コンバージョン率などを見ながら、費用対効果を最適化していきます。
これに対して、SNSマーケティングでは、アカウント運用や通常投稿であれば初期コストを比較的低く抑えられます。コンテンツの魅力によって自然な形でフォロワーを増やし、長期的な顧客関係を構築できる点が特徴です。
SNSでは、まだ商品やサービスを知らないユーザーにブランドを認知してもらい、定期的な投稿やコミュニケーションを通じて顧客ロイヤルティを育てることが可能です。
関連記事:【完全ガイド】SNS広告運用を徹底解説!利益を出すための広告運用方法は?
SNSマーケティングの重要性が高まっている3つの理由

SNSマーケティングの導入は、企業が現代のデジタル社会において競争力を保つために重要です。
かつては、テレビCMや雑誌広告、検索エンジンが主な情報接点でした。しかし現在は、SNSが日常的な情報収集や購買検討の場になりました。
ここでは、SNSマーケティングの重要性が高まっている理由について解説します。
近年、SNSの普及は著しく、幅広い世代で日常的に利用されています。
1. SNS利用率の向上
総務省の「令和5年通信利用動向調査」では、SNSを利用している個人の割合は8割を超えています。
この高い利用率から、SNSが若年層だけのものではなく、幅広い年齢層の生活に根付いていることがわかります。企業にとって、SNSをマーケティング戦略から外すことは、重要な顧客接点を失うことにもつながるのです。
SNSを活用することで、企業は多様な消費者層に効率的にリーチし、ブランド認知やエンゲージメントを高めることができるでしょう。

2. SNS検索の普及
近年では、特に若年層を中心にSNSを通じた情報収集が一般化しています。
従来は、何かを知りたいときには主に検索エンジンが使用されていました。
しかし現在は、Instagramで飲食店を探す、TikTokで商品のレビューを見る、X(旧Twitter)で口コミを確認するなど、SNS検索が購買行動の一部になっています。
SNSでは、企業が発信する情報だけでなく、実際の利用者による口コミや写真、動画を確認できます。そのため、ユーザーは商品やサービスを具体的にイメージしやすく、購買前の比較検討にもSNSを活用するようになりました。
企業にとってSNSが新たな顧客獲得チャネルになった今、SEO対策だけでなく、SNS上で見つけてもらうための発信設計が重要になっているのです。
3. マーケティング手法の変化
SNS上でのユーザー行動は、従来のマーケティング手法と大きく異なります。
現在は、企業からの一方的な宣伝よりも、ユーザーの共感や口コミ、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が購買行動に大きな影響を与えています。ユーザー自身が投稿した商品レビューや体験談は、広告よりも自然に受け取られやすく、ブランドへの信頼形成にもつながるのです。
そのため企業は、ただ商品やサービスを宣伝するのではなく、ユーザーが共感し、共有したくなるようなコンテンツを提供することが重要です。
好感度と認知を同時に高めることで、ブランドのポジティブなイメージが形成され、結果として顧客ロイヤルティの向上につながります。SNSマーケティングでは、エンゲージメントの質を高めることが、従来のマーケティングにはない重要な視点です。
SNSマーケティングを活用する目的と5つのメリット

SNSマーケティングは、単にフォロワー数を増やすための施策ではありません。
企業やブランドの認知度向上、顧客との関係構築、採用、コスト削減、マーケティングデータの取得など、さまざまな目的で活用されています。
ここでは、SNSマーケティングがもたらす5つのメリットを解説します。
①ブランディング・認知度向上
SNSマーケティングは、企業やブランドが広い範囲で認知されるための強力なツールです。
投稿が「いいね」やシェアを獲得することで、そのユーザーのフォロワーにも自然と露出し、ブランドのメッセージやイメージが拡散されます。このような共感を呼ぶコンテンツは、企業の世界観や価値観をユーザーに伝え、ブランド認知度の向上に直接的に寄与します。
さらに、SNS上でのビジュアルや言葉によるコミュニケーションは、消費者に深い印象を残すことができます。商品やサービスの機能だけでなく、ブランドの考え方やストーリーを伝えられるため、価格やスペックだけではない「選ばれる理由」を作りやすくなるのです。
②顧客と密なコミュニケーションが取れ、顧客ロイヤルティ向上に繋がる
SNSを利用することで、企業は顧客との間に直接的かつ持続的なコミュニケーションチャネルを確立できます。
顧客からのフィードバックや質問にリアルタイムで応答することで、信頼関係を築くことができ、顧客ロイヤルティが向上します。こうして顧客が企業に親しみや愛着を感じることで、長期的に関係性を構築し、継続的に支持を得る基盤となるのです。
また、ユーザーの投稿を企業アカウントで紹介したり、コメントに丁寧に返信したりすることで、ユーザー参加型のコミュニティを形成できます。SNSは、企業と顧客の距離を縮める場としても有効です。
③優秀な人材の確保にも繋がる
SNSマーケティングは、採用活動にもプラスの影響をもたらします。
企業のSNSでは、商品やサービスだけでなく、社内の雰囲気、社員の働き方、企業文化、仕事への考え方なども発信できます。こうした情報は、求職者にとって企業理解を深める重要な判断材料です。
特に近年は、求人票や採用サイトだけでなく、SNSを見て企業の雰囲気を確認する求職者も増えています。透明性のある情報を継続的に発信することで、応募前の不安を減らし、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
実際にシェイプウィンでもSNSを通じた採用を行い、優秀な人材の確保と採用コストの削減に繋げています。
④広告費などのコスト削減と高い費用対効果
SNSマーケティングは、他のマーケティング手法に比べて費用対効果が高い点もメリットです。
アカウント開設や通常投稿は基本的に無料で始められるため、小規模企業やスタートアップにとっても取り組みやすいでしょう。もちろん、コンテンツ制作や運用には人的リソースが必要ですが、広告出稿に比べると初期費用を抑えやすい傾向があります。
また、投稿が拡散されれば、広告費をかけずに多くのユーザーへリーチできる可能性があります。特に、ユーザーの自発的な投稿や口コミによる拡散は高い広告効果を持っています。
低予算でも工夫次第でブランド認知を広げられる点は、SNSマーケティングの大きな魅力でしょう。
【完全ガイド】SNS広告運用を徹底解説!利益を出すための広告運用方法は?
⑤効果測定ができマーケティングデータとして活用できる
SNSプラットフォームは、単なるコミュニケーションツールではなく、マーケティング活動の成果を測定し、戦略を最適化するための役割も担っています。
各プラットフォームが提供するインサイト機能や分析ツールを活用することで、アクセス数やフォロワー属性、ユーザーの反応が良かったコンテンツなどをリアルタイムで把握できます。
これらのデータを分析することで、感覚に頼った運用ではなく、数値に基づいたマーケティング改善が可能になります。
たとえば、SNSでは以下のようなデータを確認できます。
・自社のユーザー層:フォロワーの属性や関心事を把握し、ターゲット市場を明確にする
・コンバージョン率:投稿や広告が問い合わせ、購入、資料請求などにどれだけつながったかを測定する
・ターゲットユーザーのデモグラフィック:年齢、性別、地域などからユーザー像を具体化する
・ソーシャルメディアキャンペーンの影響:キャンペーンがフォロワー増加やサイト流入、購買行動に与えた影響を確認する
・ユーザーの行動パターン:アクセスが集中する時間帯や曜日を特定し、投稿スケジュールを最適化する
・ソーシャルメディア広告の効果:広告投資に対するリターンを評価し、予算配分を調整する
・コンテンツのシェア率:投稿がどれだけ共有されているかを分析し、影響力や拡散性を測定する
SNSマーケティングでは投稿後の反応を可視化し、次の施策に活かすことができます。また、コメントや口コミなどの定性的な声も、新商品開発やサービス改善のヒントになるでしょう。
関連記事:SNS運用レポートで見るべき指標と使えるツールを紹介
SNSマーケティングの5つの主な手法と特徴

SNSマーケティングには、目的と効果が異なる様々な手法があります。
ここでは、主な5つの手法について、それぞれの特徴やメリット、向いているケースを解説していきます。
①SNSアカウント運用(定期的な情報発信)
企業がSNSを活用する基本的な手法の一つが、公式アカウントを継続的に運用し、自社の情報を定期的に発信することです。
定期的な情報発信により、フォロワーは最新の情報を継続的に受け取り、ブランドへの関心を持続させることができます。定期的な投稿は、企業が活動している証でもあり、エンゲージメントを高めるための土壌を作ります。
ただし、SNSアカウント運用は、単に投稿を続ければよいわけではありません。投稿テーマの設計、投稿頻度、コメント・DM対応、UGC活用、効果測定まで含めて運用することが重要です。
たとえば、商品情報だけを発信するのではなく、活用シーン、開発背景、社員の思い、ユーザー投稿の紹介などを組み合わせることで、ブランドへの理解や親近感を高められます。
活用シーン
・認知度を高めたい場合
・ブランドの世界観を継続的に伝えたい場合
・ファンとの関係性を構築したい場合
・顧客ロイヤルティを向上させたい場合
②キャンペーン企画
SNSは、ユーザー参加型のキャンペーンを実施するのに適したプラットフォームです。
たとえば、オリジナルのハッシュタグを用いた投稿促進、フォロー・リポストを条件としたプレゼント企画、商品を使用した写真や動画を投稿してもらうコンテスト形式のキャンペーンなどがあります。
これらのキャンペーンは、ブランドの認知を広めるだけでなく、フォロワー獲得、UGCの増加、キャンペーン情報の拡散、店舗やイベントへの来訪促進など、さまざまな効果をもたらします。
一方で、キャンペーンだけで終わってしまうと一時的なフォロワー増加にとどまるため、キャンペーン後の継続的な情報発信やファン化施策もあわせて設計することが重要です。
活用シーン
・新商品の認知拡大をしたい場合
・短期間で話題化したい場合
・フォロワー数を増やしたい場合
・UGCを増やしたい場合
・店舗・イベントへの送客を強化したい場合
③ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、SNS上に公開されているユーザーの意見や感情を収集・分析し、企業活動に活かす手法です。
アンケートでは捉えにくい細かな要望や不満点を発見できるため、商品開発やサービス改善に役立ちます。また、市場のトレンドを追跡したり、競合との比較分析を行ったりする際にも活用できます。
たとえば、自社商品に関する口コミを確認することで、ユーザーがどのような点を評価しているのか、どのような不満を持っているのかを把握できます。さらに、炎上の兆候やネガティブな投稿を早期に発見するリスク管理の点でも役立ちます。
活用シーン
・商品改善やサービス改善を行いたい場合
・顧客ニーズを深く理解したい場合
・市場トレンドを把握したい場合
・競合分析を行いたい場合
④SNS広告
SNS広告は、ターゲットとするユーザー層に合わせて配信内容を細かく調整できる点が特徴です。
ユーザー登録時の情報や利用傾向、興味関心などに基づいたターゲティングにより、届けたい相手に効率的に広告を配信できます。また、通常投稿と馴染む形で表示される広告も多く、ユーザーの閲覧体験を大きく損なわずに接点を作れる点もメリットです。
一方で、広告だけに頼ると、配信停止後に接点が途切れやすくなります。
通常のアカウント運用やコンテンツ発信と組み合わせることで、短期的な成果と長期的なファン形成を両立できます。
活用シーン
・短期間で認知を拡大したい場合
・特定ターゲットへ効率的に配信したい場合
・LPやECサイトへの流入を増やしたい場合
・資料請求や購入などCVを獲得したい場合
⑤インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーを活用したマーケティングは、特定のターゲット層に直接訴えかけることができる強力な手法です。
適切なインフルエンサーとのコラボレーションは、そのインフルエンサーが持つフォロワーからの信頼と影響力を活用し、ブランドの認知度向上や購買行動につながります。
特に、美容、食品、ファッション、ライフスタイル、観光など、実際の使用シーンや体験が購買判断に影響しやすい領域と相性が良い施策です。
ただし、フォロワー数だけでインフルエンサーを選ぶのは危険です。ブランドとの親和性、フォロワー層、投稿の世界観、過去のPR実績などを確認し、自社の商品やサービスと自然に結びつく相手を選定することが重要です。
活用シーン
・特定のターゲット層へ自然に認知を広げたい場合
・商品レビューや体験訴求を強化したい場合
・UGCや口コミを増やしたい場合
関連記事:インフルエンサーマーケティング会社の種類・選び方を徹底解説
SNSマーケティングの仕事内容・必要なスキル

SNSマーケティングは、企業のマーケティング施策として注目される一方で、SNSマーケターという職種への関心も高まっています。SNSマーケターは、単に投稿を作るだけではなく、戦略設計、コンテンツ企画、分析、広告運用など幅広い業務を担います。
SNSマーケターの主な仕事内容
SNSマーケターの主な仕事は、ソーシャルメディアを活用して企業のブランド、商品、サービスを広め、マーケティング上の成果につなげることです。
具体的には、以下のような業務があります。
・SNSアカウントの運用方針の設計
・投稿コンテンツの企画・作成
・投稿スケジュールの管理
・キャンペーンの企画・実行
・コメントやDMへの対応
・SNS広告の運用
・インフルエンサー施策の企画
・インサイトデータの分析
・レポート作成と改善提案
・炎上リスクや投稿ルールの管理
SNSマーケターには、ターゲットに合わせたコンテンツを作成・配信し、データ分析を通じて戦略を最適化する役割が求められます。
また、SNSのトレンドや新機能を素早く理解し、企業の施策に活用することも重要です。
SNSマーケターに求められるスキルと向いている人
SNSマーケターには、マーケティングの基礎知識に加え、SNS特有の運用スキルが求められます。
主に必要とされるスキルは以下の通りです。
・トレンドを把握する力
・ユーザー目線で企画を考える力
・文章・画像・動画などのコンテンツ制作力
・データ分析力
・コミュニケーション能力
・炎上リスクや情報発信に関するリテラシー
・継続的に改善する運用力
SNSは変化のスピードが早く、昨日まで効果的だった手法が急に通用しなくなることもあります。そのため、変化を楽しめる人、ユーザーの反応を見ながら柔軟に改善できる人、地道な運用を続けられる人に向いています。
また、SNSは企業の顔として発信する場でもあるため、表現の細かなニュアンスに配慮できることも重要です。
SNSマーケティングの始め方・成果を上げるためのステップ

SNSマーケティングを効果的に行うためには、適切な計画と戦略が不可欠です。なんとなく投稿を始めるだけでは、フォロワー数や反応は増えても、売上や問い合わせ、採用などの成果にはつながりません。
ここでは、SNSマーケティングを始め、成果につなげるための4つのステップを解説します。
①SNSマーケティングの目的(KPI)を決める
このステップでは、「何のためにSNSマーケティングを行うのか」を明確にします。
成功するSNSマーケティング戦略の基礎は、明確な目的設定から始まります。ここでは、KGI(最終的に達成したい具体的な成果)とKPI(KGIに到達するための途中経過として測定する指標)を設定しましょう。
たとえば、ブランド認知度の向上、リード獲得数、商品の売上増加、採用応募数の増加などがKGIにあたります。その達成に向けたKPIとして、フォロワー数、リーチ数、エンゲージメント率、Webサイトへの流入数、問い合わせ数などを設定します。
目的が曖昧なまま運用を始めると、投稿内容や分析指標がぶれてしまいます。まずは、SNSを通じてどのような成果を目指すのかを明確にすることが重要です。
②目的にあったソーシャルメディアを選ぶ
次に、自社のターゲットや目的に合ったSNSプラットフォームを選定します。
自社のブランドや商品、サービスに最も適したソーシャルメディアを選ぶには、ターゲットとなるユーザー層がどのSNSを主に使用しているかを把握することが重要です。
たとえば、若年層にリーチしたい場合はInstagramやTikTokが適している場合があります。ビジネス関連のコンテンツであればLinkedIn、既存顧客との継続的な接点を作る場合はLINEが有効です。
すべてのSNSを同時に運用しようとすると、リソースが分散し、投稿の質や継続性が低下することがあります。まずは目的に合った媒体を選び、優先順位をつけて運用することが大切です。
③持続可能な運用体制づくりとルール策定
このステップでは、「誰が、どのようにSNSを運用するのか」を決めます。
SNS運用でつまずきやすいのが、運用体制の不備です。最初は意欲的に投稿していても、担当者が他業務と兼任している場合、更新が止まったり、分析まで手が回らなかったりするケースは少なくありません。
持続的にSNSマーケティングを行うには、以下のような体制づくりが必要です。
・専任または主担当者のアサイン
・投稿スケジュールの作成
・投稿テーマやトンマナの整理
・画像・動画制作の担当範囲の明確化
・コメント・DM対応ルールの整備
・投稿前の承認フローの策定
・炎上時の対応フローの準備
特に企業アカウントでは、発信内容がブランドイメージに直接影響します。不適切な投稿や誤解を招く表現を防ぐためにも、複数人で確認する体制や、危機管理広報の視点を持った運用ルールが重要です。
関連記事:SNS運用マニュアルとは?作成方法と必須項目を1から解説
④戦略を立てPDCAサイクルを回す
最後に、実行した施策を分析し、改善を重ねていきます。
戦略策定後は、計画を具体的な行動に移し、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を活用して効果を測定します。
Planでは投稿方針やキャンペーン内容を設計し、Doで実行します。Checkでは、リーチ数、エンゲージメント率、クリック数、保存数、フォロワーの増減などを確認し、Actで次の投稿や施策に反映します。
SNSマーケティングは、一度投稿して終わりではありません。ユーザーの反応を見ながら改善を続けることで、アカウントの質が高まり、成果につながりやすくなります。
関連記事:自社に合ったSNSコンサルを見抜く6つのチェックポイント(業務内容・費用・特徴)
主要SNSプラットフォーム別の特徴と活用ポイント

SNSプラットフォームには、それぞれ異なる強みや特徴があります。
自社のターゲット層がどのプラットフォームを利用しているか、どのような目的に向いているかを理解したうえで選択することが、効果的なSNSマーケティングの鍵となります。
ここでは、各SNSのユーザー層の特徴や目的、主な強、活用方法などを整理していきます。
| SNS | 主なユーザー層 | 主な強み | 目的 | 活用方法 |
|---|---|---|---|---|
| 30代以上を中心に幅広い層 | 実名性・信頼性 | BtoB、コミュニティ形成、イベント告知 | 企業情報やイベント情報の発信 | |
| ビジネスパーソン、専門職 | ビジネス特化・専門性 | BtoB、採用、リード獲得 | 専門知識や企業文化の発信 | |
| TikTok | 若年層中心 | 短尺動画の拡散力 | 認知拡大、話題化 | エンタメ性のある動画投稿 |
| X(旧Twitter) | 幅広い年代 | 速報性・拡散力 | 話題化、キャンペーン、リアルタイム発信 | ニュース発信やUGC促進 |
| 若年層〜中年層 | ビジュアル訴求 | ブランディング、商品理解、購買促進 | 世界観や利用シーンの発信 | |
| YouTube | 幅広い年代 | 長尺動画による深い理解 | 商品説明、教育、比較検討 | 解説動画やレビュー動画の発信 |
| LINE | 日本国内の幅広い層 | 到達率・CRM | 既存顧客対応、販促、再来店促進 | クーポン配信や顧客フォロー |

Facebookは幅広い年齢層に利用されていますが、特に30代以上のユーザーが多く、家族や友人とのつながりを重視する傾向にあります。
実名制であることから信頼性が高く、ブランドの認知度向上やコミュニティ形成に適しています。長めのテキスト、画像、動画コンテンツを組み合わせて、企業活動やイベント情報を発信する場として活用できます。
BtoB企業や地域密着型ビジネス、コミュニティ運営との相性も良いプラットフォームです。

LinkedInは、ビジネス関連のコンテンツに特化したプラットフォームです。
職業情報を共有し、ネットワーキングを行うプロフェッショナルが多く利用しています。特にBtoB企業にとって有益で、業界のリーダーや専門家とのつながりを築くのに適しています。
採用広報や専門性の発信、企業の思想や事業内容の発信にも向いています。経営層やビジネスパーソンに向けて信頼性の高い情報を届けたい場合に活用しやすいSNSです。
TikTok

TikTokは若年層に人気があり、創造的でエンターテインメント性の高い短尺動画が主流です。
短時間で視聴できる動画コンテンツが拡散されやすく、特に若い顧客層にアプローチするのに適しています。
認知拡大や話題化、UGCの創出を狙う企業に向いているプラットフォームです。
X(旧Twitter)

速報性と情報の拡散力に優れるX(旧Twitter)は、多様な年齢層にわたるユーザーが利用しています。
リアルタイムでのコミュニケーションやトレンドへの参加が可能で、ニュースの共有、意見交換、キャンペーン情報の拡散に適しています。
短文で気軽に投稿できるため、企業の考えや最新情報をスピーディーに届けられる点が強みです。一方で、拡散力が高い分、誤解を招く表現や不適切な投稿が炎上につながるリスクもあるため、運用ルールの整備が重要です。

Instagramは、若年層から中年層にかけて人気があり、写真や短動画などのビジュアルコンテンツを中心に利用されます。
ブランドのビジュアルアイデンティティや商品の魅力を強調するのに適しており、アパレル、美容、食品、観光、ライフスタイル領域と相性が良いSNSです。
フィード投稿、リール、ストーリーズ、ライブ配信など複数のフォーマットを活用することで、認知拡大から購買促進、ファン化まで幅広い施策を展開できます。
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YouTube

YouTubeは、幅広い年齢層が利用する動画共有プラットフォームです。
教育的な内容からエンターテインメント、製品レビューまで、長めの動画コンテンツに適しています。ブランドが深い物語性や詳細な情報を共有する際にも有効です。
商品やサービスの使い方を詳しく説明したい場合、比較検討段階のユーザーに理解を促したい場合、専門性を伝えたい場合に向いています。
LINE

LINEは特に日本で利用者が多く、若者から高齢者まで幅広い層に利用されています。
友人や家族とのプライベートなコミュニケーションだけでなく、企業が顧客と直接コミュニケーションを取るための公式アカウントも提供されています。
クーポン配信、キャンペーン案内、予約通知、購入後フォローなど、既存顧客との関係維持に向いています。新規認知の獲得よりも、顧客との継続的な接点づくりや再来店促進に強いプラットフォームです。
SNSマーケティングの注意点・デメリット

SNSマーケティングには多くのメリットがありますが、それに伴うリスクやデメリットも十分に理解し、対策を講じることが必要です。
ここでは、SNSマーケティングを活用する際の主な注意点を解説します。
炎上のリスクがある
SNSの使用には炎上のリスクが伴います。
企業が不適切な内容を投稿したり、社会的なモラルに反する発言をしたりすると、強い非難を受ける可能性があります。たとえば、他の企業や製品を批判するような投稿、誤解を招く表現、時事問題への配慮を欠いた発信などは、炎上を招きやすいです。
このリスクを避けるためには、公開前に複数のスタッフで内容をチェックする多角的な確認体制を整えることが有効です。また、危機管理広報の知識を事前に身につけ、炎上時の対応フローも準備しておきましょう。
リテラシー・専門知識が求められる
SNSマーケティングを効果的に行うには、専門的な知識とリテラシーが必要です。
これには、プラットフォームごとの特性理解、適切なマナー、著作権や肖像権への配慮、情報セキュリティ意識などが含まれます。
適切な知識を持つ担当者が不足している場合、誤った情報の扱いや不適切なコミュニケーションによって企業のイメージが損なわれることもあります。したがって、教育と研修を定期的に行い、担当者のスキルアップを図ることが大切です。
時間と労力がかかる
SNSマーケティング施策は、すぐに成果が出るとは限りません。
効果的な結果を出すためには、長期間にわたるコミットメントと持続的な努力が必要です。また、投稿制作、画像・動画制作、コメント対応、効果分析、レポート作成など、継続的な工数も発生します。適切な管理ツールの選定や人的リソースの確保も必要です。
計画段階でこれらのコストを見積もり、無理なく運用できる体制を整えることが成功の鍵と言えるでしょう。
SNSマーケティングの成功事例

SNSマーケティングは多くの企業に大きな影響をもたらしています。
ここでは、単なるSNS活用ではなく、マーケティング視点でSNSを活用し、成果につなげた事例を3つ紹介します。
動画CMの活用:240件以上のメディア露出に成功!
子ども向けオンライン英会話スクール「ノバキット」は、通学型グループレッスンの英会話教室が一般的な日本市場において、子ども向けのオンライン英会話というサービスの市場認知が必要でした。また、大手から個人まで数千もの英会話教室が点在するレッドオーシャンの中で、競合に打ち勝つポジショニングや、顧客から信用を築く活動も重要でした。
そこでシェイプウィンでは、Instagramのアカウント運用やインフルエンサー投稿をマーケティングの視点から連動させ、インスタグラムのフォロワー数を4,700人まで増加。また、TVerにて動画CMを行った結果、240以上のメディア露出に繋がりました。
SNSは単なるプラットフォームではなく、メディアアプローチの観点も持つことで、メディア露出にも繋げることができることがわかる事例です。
3つのプラットフォームを戦略活用:2.9Mのインプレッション・800Kリーチ獲得!
日本の消費者に向けてスペイン牛の魅力を発信するワンダフルビーフ2.0とのプロジェクトでは、単に牛肉の宣伝をするだけでなく、ヨーロッパ生産モデルという「宣伝」記事も発信する必要もあり、エンゲージメントの高いオーディエンスを構築するのが難しい状況でした。
そこでシェイプウィンでは、3つのソーシャルメディア(Instagram、Facebook、YouTube)のKPIを設定。アカウントを『ジャパンフレンドリー』にすることに取り組み、Instagramのアカウントで定期的な『フォロワーキャンペーン』を実施しました。また、『仕事や家事で忙しい人のための簡単・時短レシピ』をテーマとする家庭料理の研究家・インフルエンサーとコラボする施策を行いました。
結果として、日本市場にローカライズした投稿により2.9Mのインプレッションという高いエンゲージメントを獲得し、インフルエンサーのフィードと世界観がマッチしていたことにより800Kリーチという高いエンゲージメントを獲得。
複数のプラットフォームを連動させたキャンペーン施策と、ターゲットにカスタマイズしたコンテンツ運営見直しが、大きなエンゲージメントを生み出すことがわかる事例です。
イベントとSNSの連携:イベントのレポートレシピなどがSNSで拡散!
日本市場におけるフランス産のバターやチーズといった乳製品のPRを実施するCNIELは、フランスの乳製品は輸入関税のために高価であるというイメージから、PRに課題を抱えていました。
そこでシェイプウィンでは、フランス産バターを使ったスイーツを八芳園やフランスパティシエとして有名な鎧塚俊彦氏とコラボし、限定メニューを開発しプロモーションを実施。1週間のポップアップストアイベントの開催期間中には、インフルエンサーを対象としたイベントも複数実施しました。
結果として、スイーツやアフターヌーンティーに関するインフルエンサーにレシピや会場でのイベントレポートなどの投稿が行われ、リーチ数だけでなく高いエンゲージメントも獲得することができました。
イベントを開催するのではなく、イベントとの相性を考慮したインフルエンサーの選定や期間限定イベントを行うことにより、イベントの効果を最大化できることがわかる事例です。
(※)lingshotとのコラボ企画
SNSマーケティングに関するよくある質問(FAQ)

最後に、シェイプウィンがSNSマーケティング支援を行う中で、よくある質問に回答します。
SNSマーケティングに資格や検定は必要ですか?
SNSマーケティングを行ううえで、資格や検定は必須ではありません。
ただし、基礎知識を体系的に学びたい場合や、知識の証明として活用したい場合には、「SNSマネージャー」や「SNSエキスパート検定」「SNSマーケティング検定」などを学ぶのも有効です。
SNSエキスパート検定は、企業・団体向けのSNS活用の知識・方法を習得するための検定プログラムとして提供されています。また、SNSマネージャー養成講座では、戦略構築、運用体制、効果解析、炎上防止対策などを学べます。
もちろん資格そのものも大事ですが、実際にアカウントを運用し、成果を分析・改善できる実践力が重要でしょう。
SNSマーケティングの平均年収はどれくらい?
SNSマーケターの年収は、企業規模、担当範囲、経験年数、広告運用や戦略設計のスキルによって変動します。
参考として、求人ボックスのマーケティング職全体の求人統計データでは、マーケティング職の平均年収は約503万円とされています。
SNSマーケターに限定した年収は媒体や調査時点によって差がありますが、一般的にはWebマーケターやデジタルマーケターの職種の一部として扱われることも多く、未経験・運用担当レベルでは比較的低め、戦略設計や広告運用、マネジメントまで担える人材は高年収を目指しやすい傾向があります。
また、フリーランスや副業としてSNS運用代行、広告運用、コンサルティングを行う場合は、案件単価や実績によって収入が大きく変動します。
未経験からSNSマーケターになるためのステップは?
未経験からSNSマーケターを目指す場合は、まず自身のSNSアカウントを運用し、投稿企画や分析の経験を積むことがおすすめです。
具体的には、以下のようなステップがあります。
・自分のSNSアカウントを運用し、投稿改善を行う
・SNSマーケティングの基礎を本や講座で学ぶ
・企業アカウントや競合アカウントを分析する
・スクールや検定で体系的に学ぶ
・未経験歓迎の求人やインターン、副業案件に応募する
SNSマーケターには、知識だけでなく実際の運用経験が求められます。小さなアカウントでも、目的を設定し、投稿を改善し、数値を分析した経験は実績として活かせます。
まとめ:SNSにもマーケティングの視点が重要

SNSマーケティングは、現代のデジタルマーケティング戦略において欠かせない施策です。ブランド認知度の向上や顧客ロイヤルティ向上は、商品の売上向上や優秀な人材確保など、さまざまな効果を生み出します。
しかし、SNSを活用して企業にとっての成功を生み出すには、単にSNSのプラットフォームや投稿のやり方を知っているだけでは不十分です。すべての要素をマーケティングの視点からつなげ、目的に応じて戦略を設計するスキルが重要です。
また、SNSは、SEO、広告、PR、ブランディング、採用などと連携させることで、より大きな成果につながります。独自のアプローチでブランド認知を高め、効率的な顧客獲得を目指す場合、プロの支援を利用することも一つの手段です。
シェイプウィンでは、コンテンツ制作前にマーケティング観点から分析を行い、SNSの位置づけや経営戦略と連携した戦略立案、KPIの設定まで行ったうえで、コンテンツ制作を支援しています。SNSマーケティングを本格的に強化したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
